コーヒーと音楽 14th ARCHIE SHEPP × MIDNIGHT MEDIUM – SOUNDLESS RECORDS(サウンドレスレコーズ)

コーヒーと音楽 14th ARCHIE SHEPP × MIDNIGHT MEDIUM

SOUNDLESS RECORDS担当者がおすすめの音楽を紹介するコラム連載「コーヒーと音楽」。第14回は、スタンダードシリーズから「MIDNIGHT MEDIUM」にぴったりな作品をご紹介。コーヒーのお供にぜひ新たな音楽との出会いを楽しんでみてください。


MIDNIGHT MEDIUM
真夜中に広がる冒頭のストリングスから次第にシンセとボーカルが絡み合うような柑橘フレイバーと甘み。 選びぬいたコロンビア各地の良質な豆を丁寧に焙煎した、サウンドレスレコーズのスタンダードブレンド。酸味と苦味がバランスよく調和するスムースな味わいが特徴です。

 

Archie Shepp - Dawn Home New York

アメリカのサックス奏者・Archie Sheppによる1984年作。イタリアのフリージャズ名門レーベルSoul Noteからリリースされた一枚です。Archie Sheppといえばフリージャズを中心に数多くの作品を世に生み出してきた偉大なサックス奏者の一人。往年のフリージャズファンはもちろん、71年リリースの「Things Have Got To Change」、翌年リリースの「Attica Blues」などはレアグルーヴクラシックとして絶大な支持を得ています。そんなArchie Sheppの中でも後期の作品にあたる「Dawn Home New York」は70年代のフリージャズの荒々しさと熱いセッションを通過した、Archie Sheppの新境地が垣間見られる作品です。アルバムを通して頭に浮かぶのは真夜中のニューヨークストリート。 

 

A1「Dawn Home New York」。この曲ですぐにアルバムの世界観に引き込まれます。ミッドテンポのドラムとベースラインにシェップの力強いサックス、徐々にピアノも加わり、セッションはじわじわと熱を帯びていきます。ルードな匂いと泥臭さをまとったヴォーカルが真夜中の気だるさとストリートにたむろする人々の息づかいを連想させます。まるでヒップホップを体現したかのようなリアルなストリートミュージックがこの曲から感じられます。

 

 

A2「Round About Midnight」。セロニアスモンク作曲のジャズのスタンダードナンバーとして知られる名曲。シェップの力強いサックスで奏でられる彼らしさが垣間見られるカバーです。繁華街を抜け、夜の静寂が訪れる街の変化を表現したような「静」と「動」が一体化したような一曲です。

 

Miles Davis Quintet - Round About Midnight

たくさんの名手がカバーしている名曲だけにMiles Davisなど他の奏者との表情の違いを楽しむのもジャズの面白さの一つです。

 

 

B3「Straight Street」。アルバムのラストでは、John Coltraneの「Straight Street」のカバーも収録。原曲をより軽快にアレンジしており、眠らない夜のストリートを颯爽とスウィングする光景が思い浮かびます。

 

John Coltrane - Straight Street

落ち着いたシックなリズムと音の重厚さは、シェップのカバーとの対比が顕著に表れていて聴き比べると非常に面白いです。どちらも素晴らしい。

 

アルバムを通して、一人の若きジャズミュージシャンの一晩を描いたかのような作品、そんな印象を受けました。スタンダードナンバーをシェップなりにカバーした楽曲群は、彼の原点回帰ともいえ、何者でもなかった若かりし頃の青々しい空気感が伝わってきます。まるでニューヨークのストリートを舞台にした映画を見ているようなストーリー展開を連想させ、情景がどんどん頭に思い浮かんできます。

「MIDNIGHT MEDIUM」とともに秋の夜長はニューヨークの夜のストリートに思いを馳せながらじっくりとジャズを味わってみてはいかがでしょうか。

 

Profile
Archie Shepp
アメリカのジャズ・サックス奏者。フロリダ州の出身で、主にフリー・ジャズの分野で活動。セシル・テイラー、ニューヨーク・コンテンポラリー・ファイヴ(英語版)、ジョン・コルトレーン、ホレス・パーランなどの共演でも知られる。その音楽性にはアフリカ音楽からの影響が見られる。(出典:Wikipedia)

 

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Spotifyではブレンドをイメージしたオリジナルのプレイリストも公開中! こちらも合わせて楽しんでみてください。


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