コーヒーと音楽 19th ROBERT JOHNSON × NO LUCK AT ALL 1930【BLUES】 – SOUNDLESS RECORDS(サウンドレスレコーズ)

コーヒーと音楽 19th ROBERT JOHNSON × NO LUCK AT ALL 1930【BLUES】

SOUNDLESS RECORDS担当者がおすすめの音楽を紹介するコラム連載「コーヒーと音楽」。第19回は、インスピレーションシリーズから「NO LUCK AT ALL 1930」【BLUES】にぴったりな作品をご紹介。コーヒーのお供にぜひ新たな音楽との出会いを楽しんでみてください。

 

NO LUCK AT ALL 1930【BLUES】

人生の苦さ、深く刻まれた記憶。悲しさに暮れるだけではなく、明日への活力へとつながるような厚みのある深煎りブレンド。濃厚なサングリアやラム酒のような味わいと長く続く余韻を、ミシシッピ・デルタ・ブルースとともに。  

 

 Robert Johnson – King Of The Delta Blues Singers Vol. II

ミシシッピ出身のブルース・シンガーでありギタリストのロバート・ジョンソン。伝説的なブルース歌手として知られ、その後のブルース・ミュージシャンのみならず、ロックやブルース・ロックのミュージシャンに多大な影響を与えました。そんな彼の楽曲をコンパイルした初期音源作品の第二弾。人種差別によってレコードのリリースもままならなかったデルタ・ブルースとその生きた証言者たるロバート・ジョンソンの代表作ともいえる傑作編集盤です。(ロバート・ジョンソンの生い立ちはこちら)デルタとは米南部ミシシッピー州中央よりメキシコ湾へと注ぐミシシッピー川河口周辺。農作に適した肥沃な土地。綿花畑などとして、多くの黒人が奴隷として過酷な労働を強いられていた歴史を持つブルース発祥の地。演奏楽器として、特にギターとハーモニカが一番多く使われ、ソウルフルで、激しく、そして自己の内面を歌い上げるようなボーカルスタイルもデルタ・ブルースの特徴です。
 


A1「Kind Hearted Woman Blues」。物悲しげなギターと気だるいヴォーカルから始まるリズム。嘆きのような高音のフレーズが哀愁を漂わせます。この歌詞いわゆる「ジゴロを抱えた女性」を歌った曲で、どこか揶揄的なニュアンスを含んだ一曲です。

 

A3「Sweet Home Chicago」。数あるブルース・ナンバーの中でも、定番中の定番といえるのがこの曲です。歌詞にある 「あのカリフォルニアへ」というフレーズがあります。シカゴはカリフォリニア州ではなく、イリノイ州のため疑問に持っていましたが、 これはカリフォルニアが 「金貨」 を意味した19世紀のスラングから来ているとのこと。第二次世界大戦を挟んで多くの南部黒人労働者が、仕事が豊富(=金貨)にあるという理由から、大都市シカゴに移動していた背景があります。

 

A6「They're Red Hot」。軽快なリズムで、思わず体が動き出してしまいそうな一曲です。歌詞的には熱くて辛いタマーレを彼女が売ってるというフレーズの繰り返しで、Hotな食べ物と女性を重ねて表現している意味合いがあるそうです。

 

A7「Dead Shrimp Blues」。ブルースの慣用句「I woke up this morning, my baby's gone」で始まる一曲。みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ブルースの悲劇的な印象を強調するフレーズで、その後は嘆きの歌詞が続きます。Dead Shrimpの意味はあえてここでは書きませんが、ブルースは男女関係のうだつの上がらない歌詞が多いのも特徴です。

 

朗々として深い哀しみに暮れるしゃがれた歌声、針金を弾くようなギター、歌詞には当時のリアルな日常=ブルースそのものが詰まっています。楽曲群の歌詞を見ながら感じるのは、いつの時代も男女のいざこざは絶えないということ。去った女性を嘆き、他の男への嫉妬や怒りなどが表現されている歌詞は滑稽でいて、哀愁深いです。曲だけでなく、時代背景を想像しながら、歌詞を見て鑑賞するのを推奨します。そのお供には、苦味の効いた「NO LUCK AT ALL 1930」をぜひ。

 Profile

Robert Johnson

1911年5月8日米国ミシシッピ州ヘイゼルハースト生まれ。1927年にギターを手に入れ、パーティで演奏するチャーリー・パットンやサン・ハウス、ウィリー・ブラウンに影響を受けギターをおぼえる。1936年11月に初録音、生涯で計42曲の録音を残す。感情を露にした歌声とギターは多くの人を魅了し、マディ・ウォーターズ、エルモア・ジェイムスらブルースマンを始め、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトン等ロック界のアーティストにも多大な影響を与えた。毒入りのウィスキーが原因で1938年8月16日死亡。(出典:CDジャーナル)

 

【NO LUCK AT ALL 1930】

ご購入はこちらから。

Spotifyではブレンドをイメージしたオリジナルのプレイリストも公開中!

 

 

こちらも合わせて楽しんでみてください。

SOUNDLESS RECORDSではみなさまの音楽/コーヒーライフを楽しくするプロダクトやコンテンツを発信していきます。今後ともぜひチェックをお願いします!